2022/03/31 18:39

HUNGRYBEARで販売している渓流用のランディングラバーネット、Catch&Release Nets -TSUNAGU- ができるまでのお話をしたいと思います。

このネットは、Beastというハンドメイドブランドのオーナー石川さんに製造をお願いしています。


Beast オーナーの石川さん


知人の紹介で、ハンドメイドでランディングネットを作られている石川さんを知り、かねてから渓流で使うラバーネットを作りたいと考えていた私は、不躾に「私がこれから作るブランドで、ラバーのランディングネットを作ってくれませんか」とお願いのメールをしたのです。

まもなく石川さんは快諾してくださり、ここからHUNGRYBEARとBeastのコラボモデルの制作が始まりました。

とはいえHUNGRYBEARというブランドはまだ実態が無く、このランディングネットがHUNGRYBEAR製品の第一弾。

ものづくりの進め方もよく分かっていない私なのですが、一丁前に構想だけはあったので、ざっくばらんにイメージを伝えていきました。

かなりラフな手書きのデザインを送り、「グリップを短めで、丸っこくしたいです」というようなアバウトなオーダー。

そんな私の拙い説明をもとに、石川さんがサンプルを作ってくださいました。

そして数週間後、最初に送られてきたサンプルを見て驚きました。ダンボールの中に入っていたランディングネット、そのグリップは、私が頭の中でイメージしていた形そのままだったのです。





アルミ製のフレームは、石川さんと相談して、塗装をしない無垢(シルバー)のもの、焼き付け塗装を施したブラックの2種類を作ることにしました。





昨年の夏、石川さんがネットを製造してくださっている工房へお邪魔してきました。

以前は鉄工所を営んでいたそうで、8年ほど前に木工へ転向されて今のBeastを始められたそうです。そのノウハウを活かして、このアルミフレームのネットは作られています。



フレームを整形する型枠



この後に目の細かいサンダーで磨き上げる

アルミはローラーで伸ばしながら曲げていかなければならないそう



石川さんの工房には何やら見慣れない工具が色々あります。

アルミを曲げ伸ばす機械や、グリップを固定する工具など。この工具はグリップの形状に合わせて、石川さんが手作りされているそう。



大きな天然木から板材を切り出し、グリップの形にカットをして、サンダーで削り丸みをもたせます。

フリーハンドで削られていく木材は、石川さんの職人技によってみるみるTSUNAGUの形になっていきます。


ボール盤でグリップを切り出す



石川さん手作りの特殊な工具で木材を固定する

グリップの両サイドにベースと違う木材で装飾を施す


一本一本丁寧に、グリップのシェイプは石川さんの感覚で

グリップエンドの丸みもフリーハンドで削り出される



特注のボルトでアルミとグリップを接続



グリップ本体はクラロウォールナットというくるみの木を、サイドに貼り付けているのは違う種類でシャム柿などが使用されています。



グリップの材料。クラロウォールナットは硬質で丈夫な性質がある


瘤(こぶ)が多いのが特徴。切り出す場所によって一つ一つ表情が違うのがハンドメイドの楽しさでもある



木には種類によって、耐久性に優れた木、割れやすい木、加工がしやすい木、瘤(こぶ)が多い木など、様々な特徴があります。木の選定は見た目だけで決められるものではなく、色々な事を考慮されているのです。

木材の性質を熟知する石川さんだから、デザインのことしか分からない私のリクエストを、きちんと使える製品にしていただける。安心してお任せすることができています。




これまで多少のトラブルも発生しましたが、そのたび真摯に対応していただき、大きなクレームになることもなく、たくさんのお客様にTSUNAGUを使っていただくことができています。

丈夫なグリップ、踏んでも割れることがないフレームです。皆さん、どうぞ安心して使ってください。

これからも、この Catch&Release Nets -TSUNAGU- をたくさんのお客様にお届けできることを願っています。



石川さん、ありがとうございました



Beastオリジナルのランディングネットやハンドメイド製品も色々あるので、ぜひBeastオンラインショップもチェックしてみてください。

Beast